今日はあるところで母乳の勉強会をしました。
WHOやユニセフでは母乳は2才かそれ以上飲ませることが推奨されていること。
母乳を与える回数は一日8回以上、1才を過ぎても変わらないし、母乳の栄養はいつまでたってもあることを伝えました。もちろん、6ヶ月を過ぎ補完食(離乳という意味ではなく、母乳にはない栄養を補うために子どもに食事を与えること)を食べ始めると母乳を飲む回数は減るかもしれないが、わざわざ母乳回数を減らす必要はないこと。母乳自体が虫歯の原因でなく、他の食べ物と混ざると虫歯の原因になる。
これらは日本ラクテーション・コンサルタント協会でも言われています。

母乳指導は難しいです。
おそらく、保健師、助産師、栄養士、歯科衛生士、それぞれの立場で考えが違ってきます。
不思議ですよね、同じ人間を見てるのに立場で話す事が違うって。
助産師は母乳をすすめます。教科書には
「母乳は、各栄養素の質とバランスがよく、消化、吸収がよいため、胃腸、肝臓、腎臓への負担が少ない。また、母乳と、人工乳の最大の違いは、母乳は人工乳にない数多くの疫学調整作用などの役割を担う。さらに、近年の研究では、母乳の免疫学的効果は、免疫学的病態が基礎にある疾患の予防にも関連していることも報告されている。」医学書院 母性看護学各論に書かれています。

こんなに母乳って素敵なことが書かれていたら人工乳は悪いんですか?

今日の勉強会の最後「母乳についていろいろ言いましたが、実は本音を言えば、長い子育て期間のたかが一年やそこらミルクで育てて将来何が悪いんですか。ミルクを足して子育てが楽になるならその方がいいでしょう。楽しく子育てする方がその親子にとって一番いいです。」と終えました。これは私の気持ちです。

帰り際、『母乳が出なくてミルクで育てました。子どもはもう中2ですが、ずっと引け目を感じてて・・・   母乳はミルクより免疫もあるって言うでしょう?』と声をかけられました。
私は「最近思うんです。母乳でも片手にスマホを持ってそっちばかり見てたら母乳育児じゃないなって。それなら抱っこしながら子どもの顔を見てミルクあげてる方が子どもにはいいでしょう。母乳の免疫より、母親の愛情のほうがその子にとったら重要かもって」

 
正論を押し付けることが指導ではないかも・・・です。
目の前の親子を認め、寄り添い、一番いい方法を一緒に見つけ出していくこと。
忘れてはいけませんね。